
当法人では、実生ゆずを含む柑橘類の多面的な調査研究を実施しています。
実態調査では、栽培地の地理的条件、樹齢構成、収穫状況、農家の栽培管理方法や経済的背景を包括的に記録し、地域における生産と利用の実態を明らかにしています。これにより、耕作放棄や樹木の老齢化など、地域資源として直面する課題を具体的に把握することができます。
さらに、分子生物学的手法を用いたゲノム解析を進め、実生ゆずを含む柑橘類の遺伝的特性を解明しています。柑橘は複雑な交雑史を持つため、その系統的背景を解析することは学術的にも重要です。ゲノム情報の比較により、実生ゆず固有の形質や機能性成分の生成に関わる遺伝子群を特定することを目指しています。
これらの研究は、種の多様性の保全や新品種開発、さらには機能性食品や医療応用の基盤を形成するものです。