
当法人では、実生ゆずに含まれるリモノイド化合物の一種である「ノミリン(Nomilin)」に注目し、その単離・分析研究を進めています。ノミリンは柑橘類特有の苦味成分であり、近年の研究では抗酸化作用、抗炎症作用、さらには脂質代謝改善や抗がん作用の可能性まで示唆されています。
実生ゆずは、果汁や果皮のみならず、種子やアルベド(白いワタ状部分)にも多様な生理活性物質を含有しており、特にノミリン含有量の高さが特徴とされています。当法人の研究では、クロマトグラフィーなどの分離精製技術を用いてノミリンを単離し、その含有量の定量化および機能性評価を行っています。さらに、食品科学や医薬分野での応用可能性を視野に入れ、成分安定性や加工適性についての検討も進めています。
この研究は、実生ゆずの付加価値を高めるだけでなく、地域資源を基盤とした新たな産業創出や健康寿命延伸への貢献につながることを目指しています。